入国拒否になりかけた話
もう今年も残りわずかとなりました。
今年も色々旅行に行ってきましたが、今月になって危うく入国拒否になりそうだったのでその経緯を振り返ってみたいと思います。
ツイッターなどで、空港のイミグレーションで別室行きになった。なんて言うのをたまに見ます。
これには航空券にSSSSと書いてあるとやばいなんて言う噂もありますが、自分の場合は航空券にこのSSSSが書いてあったわけでもありません。
シェンゲン協定って？
まずは日本人がヨーロッパ各国(シェンゲン協定加盟国）に観光などで短期間滞在するにはビザは必要ではありません。
このシェンゲン協定加盟国には26各国が加盟しています。
この加盟国の一覧はこちらです。
・アイスランド
・イタリア
・エストニア
・オーストリア
・オランダ
・ギリシャ
・スイス
・スペイン
・スウェーデン
・スロバキア
・スロベニア
・チェコ
・デンマーク
・ドイツ
・ノルウェー
・ハンガリー
・フィンランド
・フランス
・ベルギー
・ポーランド
・ポルトガル
・マルタ
・ラトビア
・リトアニア
・リヒテンシュタイン
・ルクセンブルグ
となっています。
注意してほしいのは、ここにはアイルランド、イギリス、キプロス・クロアチア、ブルガリア、ルーマニアの6か国はEU加盟国ですが、シェンゲン協定加盟国には含まれていません。
このシェンゲン協定間の国間の移動にはパスポートでの審査チェックはありません。
日本人がヨーロッパ各国に旅行に来た場合は、まず一番最初に入ったこの加盟国でパスポートチェックが行われます。
そのあと、他の加盟国へ旅行するときは特にパスポートチェックなく旅行を続けることが出来ます。
＊でも何かあった時のために必ずパスポートは携帯しておいてください。
何日間滞在できるのか？
先ほど、日本人はビザなしでこれらの国に滞在できると書きましたが、滞在できる期間には制限があります。
それが、連続した180日間のうち90日間であること。
ここ大事です。
90日間が最大となります。
そのため3か月を超えてヨーロッパを周遊するには日本人はビザが必要となります。
これは勘違いしている人も多いと思いますが、90日間滞在して1度シェンゲン協定国以外に出てからまたすぐに戻って来られると思っている人が意外といるんですが、これは間違いです。
連続した180日間のうちの90日間滞在できるのであって、90日滞在後はある程度の期間を空けなければなりません。
滞在できる例と出来ない例
ちょっと口頭では分かりにくいので詳しく説明したいと思います。
例えば1月から３月までの３か月の間にヨーロッパに旅行に来たとします。
1月から3月までの３か月滞在(90日）
この場合、すでに3か月滞在しているので、4月から6月まで3か月間はシェンゲン協定国にビザなしで入国することが出来なくなります。
次に2か月ごとに滞在を分けるとどうなるか。
1月、2月の2か月間滞在（60日）
3月、4月は日本
5月、6月の2か月間滞在する(60日)
これはアウトです。 連続する180日間（1月から6月までの6か月間）の間に120日間滞在することとなってしまい、6月に滞在する30日間は不法滞在となってしまいます。
なので、それじゃ、5月はドイツに1か月いて、6月はイタリアに1か月と国を変えたとしてもダメです。
同じシェンゲン協定国内に90日までしか滞在できません。
ワークビザやワーキングホリデービザ、永住者はもちろんこの滞在期間には当てはまりません。
イギリスの永住者（ビザ保持者）はどうなのか？
イギリスはシェンゲン協定国に加盟していません。
そのため、イギリス滞在期間中はこの90日間のうちにカウントされないので、イギリスに在住しながらヨーロッパに旅行に行くことには問題ありません。
しかし、日本のパスポートを保持している以上、このシェンゲン協定国の90日と言うルールは同じなので、ヨーロッパには連続する180日間のうちに90日間しか行くことが出来ません。
と言っても、6か月のうちに3か月以上もイギリスを離れるのは仕事をしていると無理ですね。
行けても、半年で20日前後でしょうか。
また自分はイギリスの永住ビザを保持しています。
このビザは1年間のうちに180日以上イギリスを離れてはいけないルールがあるので、1年間のうちに180日もヨーロッパに行ってしまったらアウトになってしまいます。
危うく入国拒否になりかけた話
前置きが長くなりましたが、ここからが今回入国拒否になりかけた話です。
12/1～12/4までドイツのハンブルクに旅行に行ってきました。
ハンブルクまではロンドンからブレーメン空港に降りて、バスでハンブルクに向かう旅程でした。
飛行機は無事にブレーメンに着き、ロンドンからのシェンゲン協定加盟国外からのヨーロッパ入国なので、ここでパスポート審査を受けなくてはなりません。
これは、ヨーロピアンなども全員受ける審査です。
飛行機から降りて、早い段階でパスポートコントールに並ぶことが出来ました。
いつもならパスポートを見せて、たまに何日間滞在するの？くらいしか質問されないので、スタンプを押されるのを待っていました。
しかし、ここでスタンプをなかなか押してもらえず、担当の係員がなにやらパスポートに押されるスタンプを調べ始ました。
旅行には結構行くので、少し多めにスタンプが押してあるのは自分でも知っていましたが、この係員が何やら隣の係員に色々話しています。
そうこうしているうちに、お決まりの「何日間ドイツに滞在するの？」と言うお決まりの質問がありました。
そこで、勢いよく「4日間」と答えました。
そしたら、隣の係員が、「ち、ち、ち。君は4日間ドイツに入国できないよ！！」と言ってきたのです。
この『ち、ち、ち』は映画とかでよく見る人差し指を左右に動かしながらの拒否のサイン。
自分は『え？』となっていると、その係員は立て続けに『あなたは3日間しかヨーロッパに入国できないぜ！』と言ってきたのです。
なぜに3日間？
というか、その3日間ってなんだ？
と聞くと、とりあえず端っこに寄れとジェスチャーで言われました。
まるであっちに行けと犬を追い払うかのように。。。。
この時に、「あ、これって別室に連れていかれて色々質問攻めにされるんだろうな？」と確信しました。
ブレーメン空港は小さい空港だったので、別室送りにはならずに端っこで待つように言われました。
全員の入国審査が終わるのを30分ほど待って、再度呼ばれます。
他のブースからも終わった係員が集まり、3人から色々質問攻めにされます。
その質問は、
・ドイツには何をしに来たのか
・ドイツでどこに行くのか
・ドイツに知り合いはいるのか
・仕事で来たのか
・どこに住んでいるのか
・なんでヨーロッパ国内にこんなにたくさん旅行をしているのか
・荷物はいくつあるのか
・誰かにあげるものをもってきているのか
・帰りの航空券はあるのか
・イギリスでは何をしているのか
・なんで、イギリスの永住ビザを持っているのか
・ドイツではどこに住んでいるのか
自分としては何も怪しいことがないので、１つずつ丁寧に答えていきます。
そこで、最後に質問されたドイツのどこに住んでいるのか
ドイツには住んでいない！イギリスに住んでいるって言っても、またドイツのどこに住んでいるのか？と3回くらい聞かれました。
イギリスの運転免許を見せてここに住んでいると証明したり、ビザのページを見せて説明したりしましたが、こちらからなんで入国出来ないのか聞いても返事がありません。
別の係員は、パスポートに押されてるEU国の入国日と出国日を調べて日数計算してたりと、この時点ですでに自分はヘトヘト。
係員の言い分は、
すでに87日間ヨーロッパに滞在している。そのため、ドイツにいられるのは3日間だけ。
4日間は滞在できないから、12/6にイギリスに戻らなくてはいけない。
その87日間ってどこから来た数字なん？？
と思いながら、自分のカレンダーを確認しながら、いつ旅行に行っていたか調べてみる。
この直近6か月の間にヨーロッパ（シェンゲン協定国）に行ったのは25日ほど。
再度、その87日間はどこから来た数字なのか聞いても返答なし。
係員同士でドイツ語で話してるから、自分は全く分からない。
そんなやり取りを10分位してたら、
『 You are ok, ok 』とそれだけ言われ、パスポートにスタンプを押してもらいました。
結局、何だったのか聞いても教えてくれず、全く謝罪もなし。
『 OK, Ok 』と言われるだけでこの1時間くらい何だったの？って無性に腹が立ってきました。
パスポートコントロールってなんか威圧感があって、悪いことしてないのに自分が悪いことしてるかのような気持ちになるんですよね。
なんか、日本でも警察に話しかけられるのと同じで（笑）
あっちもテロとか、不法滞在とかを防ぐのが仕事だから厳しくチェックするのは分かるんですが、この対応にはあまりにも腹が立ってしまいました。
結局は、無事に入国できたのでよかったのですが、予定より1時間ほど遅れてしまいました。
日本人はヨーロッパにビザなしで行けるってだけ思ってたので調べてみると、
日本人がビザなしでヨーロッパに入れるのは、連続する180日間のうち90日間以内しかできない
ときちんと知るいい機会になりました。
今後ヨーロッパに中期で旅行に行こうとしている人はぜひご注意を！！
